IKKON STYLE

利き酒師あおい有紀さん

2018.03.29

利き酒師あおい有紀さんに聞く、IKKONの楽しみ方 第1回

フリーアナウンサー・和酒コーディネーターとして、テレビ、ラジオなどで活躍中のきき酒師、あおい有紀さんに、IKKONで広がる日本酒の楽しみ方をご紹介いただくシリーズです。

 

 

 

 

―今回は、鈴木酒造さんの大吟醸、純米吟醸、そして純米酒を、形状の違う3種類のIKKONぐいのみでそれぞれ飲み比べていただきました。日本酒のタイプと器の形状の相性というのはありましたでしょうか。

 

そうですね、器の形状によって舌への当たり方や広がり方が変わるので、味わいも少しずつ違ってきます。お酒の好みが人によって異なるのと同様、器の選び方にも正解は一つではありませんが、いろいろ試してご自身のお好きな組み合わせを見つけられてみては、と思います。

 

 

 

 

―あおいさんのお好みはいかがでしたか。

 

はい、では大吟醸酒からいきましょう。私が一番好きな味わいを感じられたのが「ラウンドタイプ」でした。程よいフルーティさが感じられて、そのあとに旨味と甘味がふんわりと優しく、底の形状と同じように丸く広がっていくような印象を受けたんですね。大吟醸のいいところを引き立てる酒器ではないかと感じました。

続いて純米吟醸は、「ナロータイプ」がおすすめです。まず舌先に当たって甘味がふわっと感じられ、そのあとに苦味や渋みが段階的にやってきます。この形の特徴は、器の中の酒量が減るにつれ、顔を傾ける角度とともに舌への当たり方が変わってくること。後半になると甘味・旨味よりも、苦味や渋みが引き立ってきます。そんな味わいの変化が楽しめるのが面白いですね。

最後に、純米酒には「ストレートタイプ」がいいと感じました。このお酒、香りは一番控えめで吟醸のようなフルーティさはありませんが、甘味、旨味、酸味、苦味、渋みといった複雜な味わいがしっかり感じられる、いわゆるフルボディタイプ。そういう骨格がしっかりしたお酒は、舌全体でお酒を受け止めつつ後半はすっきりとキレのいい、ストレートな形状の酒器が合うのではないかと思いました。

 

 

―なるほど、舌への当たり方と味わい方には大きな関係があるのですね。

 

 

 

 

プロフィール

あおい有紀/和食コーディネーター
利き酒師、焼酎アドバイザーの資格を持ち、日本の食文化の魅力、大切さを伝えていきたいと日々奮闘中。日本酒造青年協議会より「酒サムライ」の称号を叙任。